株式会社バンブー

創業は未来へのスタート 創業支援事例紹介

会社に頼らない生き方「パン職人」からの創業
地域の繫りを大切に「製造」と「経営」の両立を目指します

店名:ベーカリー バンブー
代表:合同会社ブレッドファクトリー 小池 仁美
業種:ベーカリー経営
創業年月:平成29年8月18日
住所:千葉県佐倉市王子台3-6-3

創業支援事例紹介動画

事業内容を教えてください。

京成うすい駅近くに店舗を構え、毎日食べられる食パンを中心に、菓子パンや惣菜パン、サンドイッチなどの製造・販売および新商品の開発をしています。

また、近くのレストランさんへお料理と提供するパンをお届けしたり、一緒にコラボ商品を開発したり、近隣さん達とも色々と面白いことをしています。ちなみに、野菜は近隣の農家さんが育てた有機野菜を直接届けていただけるので、季節ならではの旬野菜を主軸に新商品を開発したりもしています。

こだわりやおすすめを教えてください。

毎日食べるものですから、やはり体に良いものを召し上がってほしいですね。「当店の自慢の商品の一つに食パンがあります。」日持ちはしないけれど、国産小麦100%、無添加で作ることは譲れません。無添加にこだわるからこそ、小さなお子様への離乳食などにも、自信を持ってご提供できます。

野菜は前述したとおり、近隣の農家さんが直接届けてくれるので、生産者さんの顔が見えるという意味でも安心です。
また、パンをお買い求めになる際の基準として、「美味しさ」「安さ」と「安全」などが考えられますが、安さの面ではどうしても大手メーカーに劣ります。だからこそ、手間を惜しまず素材は体に良いものだけを選定し、美味しくて安全なパンにこだわり抜きたいと思っています。

創業を選んだ理由は?

私世代の就職活動時期は就職氷河期と呼ばれ、希望の会社に就職しづらかったということがあり、会社に頼らなくても大丈夫なように、手に職をつけられる飲食系の職業を探していました。そんなとき、就職雑誌を読んでたまたま目に留まったのが「パン屋さん」でした。パンなんて一度も作ったことがなかったのに、なぜかその瞬間「私はここで働くのだ」と直感したのです。そして面接の結果そのお店で晴れて採用となり、パン職人としての生活が始まりました。

パン屋は朝3時から仕込みが始まります。修行は決して楽ではなく、時に辛く厳しい日もありながら、研鑽を積みました。それでも、パン作りは奥が深くておもしろいものだという事はずっと感じていましたね。パンはただの食べ物ではなく、生きているので、同じ材料と方法で作っても、日々同じパンは出来ないんです。これを繰り返し繰り返し学べたことが、パン職人としての自覚と自信になったと思っています。たぶんその頃からぼんやりと「いつかは自分のお店を持ちたい」と考えていたと思います。

パン職人として10年目を迎えた頃、修行先の業務拡張で人事の配置変えがあり、製造職からマネージメント職へと異動になりました。直営店のマネージメントを数店舗任せていただき、経営の視点からパン屋業と向き合うことになりました。この経験は創業する際も今でも役に立っています。創業してお店を開くためには、パンを作れるだけではダメで、経営しなくてはいけませんから。

「製造」と「経営」の両方の経験を積ませていただく中で、修行時代からぼんやりと考えていた「自分のお店像」がはっきりとしてきました。それは「経営」の経験から「顧客」の目線でもパン屋業を見ることができるようになったからです。その頃には後輩達も育ち仕事を任せられるようになっていましたので、そろそろ次のステップかなと思い、創業の道へと進みました。

創業する前と現在の心境はいかがですか?

創業して良かったと思うことは、自分で考え作ったパンを、沢山のお客様に召し上がっていただき喜んでいただけることです。これは他の何にも変えがたい大きなやりがいです。
それとは反面もちろん大変なこともあります。

パン屋をオープンするために必要な設備資金や内装代などの金策をはじめ、仕込みから経理などの事務作業まで全て自分で回さなければいけません。辛かったり、うまくいかなかったり色々と問題はあります。

そんな時はあえて異業種の方に相談するようにしています。異業種だからこそ違う角度から解決策を提案してくださったり、新しい商品のアイディアをいただいたりと、何かと甘えさせていただいています。
お店がある佐倉市は、温かく受け入れてくださる方々が多く、ここで創業して良かったと思っています。

コロナ禍における影響と対策について教えてください。

実は、パン屋は元々テイクアウトが主な業界なので、売り上げはそれほど変わりませんでした。パンについて改めて考えると、お皿いらずで、袋から出してすぐに食べることができるという利点があり、災害時に強い食品だなという気づきがありましたね。逆に、緊急事態宣言が解除された際には客足がレストランなどへ戻り始めたこともあって、やはり宣言解除後の売り上げは少し下がりましたね。

お店で新型コロナウイルス感染防止対策としては、トング使用を止め、パンをひとつひとつ個包装にしました。焼き上がりをすぐに並べるこれまでの販売スタイルと違い時間がかかってしまうことから、開店時間を午前10時からにさせていただきました。

客層も変わり時になったと感じます。以前はご年配者の割合が多かったのですが、感染を心配し足取りが悪くなってしまいました。その代わりに、若い方がよく来店されるようになりました。最近始めたインスタも影響していると思います。

近隣のレストランのオーナーさん方とは、「コロナ禍だからこそ、今後のことを考える機会が増えたね。」と前向きに話し合いながら、インスタなどでお互いのお店を紹介し合っています。

千葉県信用保証協会を利用していかがでしたか?

中小企業診断士の先生と協会の職員の方に具体的な経営状況をお見せして、様々な問題について相談させていただきました。
いただいたアドバイスの中から、自分やお店にとってベストだと思えることを採用して実践しました。

その中でも実際に商品を購入して食べていただき、お客様目線から的確かつ詳細な助言をいくつもいただけたことが、とても有難かったです。おかげさまで、ご相談させていただいた諸々の課題などもしっかりと改善することができ、経営状況も改善してきました。ありがとうございます。定期的にご相談できる機会があるのも助かっています。これからもよろしくお願いいたします。

これからの夢や展望を教えてください。

小さい力かもしれませんが、当店を通じて本当に美味しくて体に良いパンの文化を少しづつでも広めていけたらと思っています。

お店の名前となっている「バンブー」ですが、これは「竹」という意味です。立派な竹の根ように、土地に長く根付くお店にしたいとの思いを込めました。
あと…実は私、野球観戦が好きなんです。会社員時代は年に数十回は球場へ足を運んでいましたが、創業した今は全く赴けていないので、いつかまた野球観戦に行きたいですね。

現在、創業をお考えの皆様へメッセージをお願いいたします

自分のお店を持ちたい、創業を考えている、そんな夢や希望を持っている方へ。その展望は大変素晴らしく、あなたにしか持ち得ない価値あるものです。

実際に始めてみるとうまくいかないことも多々あり、理想と現実のギャップの連続です。その時に途方に暮れるのではなく、まずは冷静に事態を整理して、時に信頼できる方に相談しながら慎重に判断するように心がけると良いと思います。

創業とは少なからずともリスキーな道ですが、選んだ仕事が本当に好きならば、そのギャップもきっと楽しいものになるはずです。
創業がゴールではなく、創業してからが本当のスタートです。さらなる高みのゴールを目指して、楽しみながら走り続けてください。

PAGE TOP

千葉県信用保証協会

お問い合わせ本店保証部保証第一課・保証第二課 043-221-8111松戸支店保証課 047-365-6010Copyright © 2012 CHIBA CREDIT GUARANTEE.All Rights Reserved.